過酸化ベンゾイルのニキビ効果と副作用!アレルギーは?
ニキビ治療において、とても有名な外用薬があります。
名称は過酸化ベンゾイルといい、BPO(benzoyl peroxideの略)とも
呼ばれています。
日本では保険適用外なので、普通の保険適用の皮膚科に行っても
処方してもらえません。しかし、海外では普通に薬局などに売られています。
なぜ、日本では保険適用として認可されなかったかと言うと、
30年ほど前に
日本のある会社が、厚生省に過酸化ベンゾイルを薬として使用してもらえるように
申請しました。
ところが誤って濃度を下げずに申請してしまったので、使用した人に
炎症や腫れなど副作用が出てしまった経緯があったので、厚生省は
使用申請を却下しました。
本来ならば10%以下に薄めて使用すれば、
副作用が出ることは
ほとんどありませんが、
日本のお役人は頭が固いので、一度申請を
取り下げたら、再び認可されることはまずありえません。
なので、過酸化ベンゾイルを入手したかったら、保険適用外の病院か
個人輸入しか無理です。
ちなみにこの過酸化ベンゾイルは
アメリカ版のプロアクティブに入っている
成分としても有名です。
日本版には代わりにサリチル酸が
配合されている
らしいですが。
本当に日本のニキビ治療は遅れていますね。
日本での使用方法は、小麦の漂白がメインなようです。意味がわかりません。
さて、過酸化ベンゾイルのニキビに対する作用機序としては、一番
重要なのが、ニキビの原因となる菌を抗生物質よりもより強力に
殺菌することです。
皮膚に過酸化ベンゾイルを塗ると、分解されて酸素を放出します。
ニキビの主な原因となるアクネ菌は絶対嫌気菌といい、酸素を
嫌うために、毛穴の奥深くに生息しています。
そのため、アクネ菌をより強力に殺菌する効果があります。
また、過酸化ベンゾイルを使い続けても耐性菌が発生しないので
その点も抗生物質よりも安全です。
抗生物質を長く使うと、耐性菌といい、抗生物質の殺菌効果に
耐性を持つ菌が出現します。そして抗生物質を何年も使用する
という愚かな羽目に陥るわけです。
抗生物質は体内の善玉菌も同時に殺しますから、長期間の
使用は好ましくないです。しかし、耐性菌が出現している状態で
いきなり抗生物質の使用を止めると、ニキビが爆発的に増加する
という現象が起きます。
抗生物質と同時に過酸化ベンゾイルを用いることによって耐性菌
が出現する確率が減ることが医学的にも証明されています。
その他の効果としては、角質を薄くする、皮脂分泌の減少、毛穴も
多少小さくなるようです。残念ながら、ニキビ跡の赤みや
クレーター凹みには全く効果がありません。
サリチル酸や硫黄カンフルローションやピーリングよりも
直接的な効果があるとされていますが、残念ながら重症ニキビ
には効果がなく、軽度から中等度レベルのニキビにしか効果ありません。
副作用としては、赤みやかゆみやピリピリ感が挙げられます。
ただし、使い始めの数週間はそのような副作用は普通なので
耐えてください。
しかし、数%の人には、過酸化ベンゾイルに対するアレルギーが
あるらしいです。耐えられない痛みや発疹が起きた場合はすぐに
中止してください。
あとは、日光の紫外線などにより有害物質に変化するので、
日中には使用しないほうが無難でしょう。一日2回過酸化ベンゾイル
を使うのがよしとされていますが、朝は代替としてサリチル酸ローション
を使う人もいるようです。
ちなみに衣類やタオルなどに過酸化ベンゾイルがつくと、脱色が
おきてしまいます。なので、塗ったときに汗をかいてその汗が
衣類についたりすると、オダブツになります。なので過酸化ベンゾイル
を使用する時は、白色の服を着るなどの対策を取ったほうがよいでしょう。
効果が思うように現れなかったとしても根気よく2ヶ月は
続けるようにしてください。
ちなみに過酸化ベンゾイルの濃度は2.5% 5% 10%の3種類ありますが
濃度が大きいほど効果があるわけではなく、逆に副作用のリスク
が高まると言われています。しかも、医学的に、2.5%は10%と同様の
効果があると言われています。
なので、日本人が使用する場合は、2.5% を使用したほうがよいでしょう。
使用方法としては、洗顔の後に、ニキビが出来てる部位だけではなく
ニキビが出来やすい部位にも全体的に薄く塗ってください。
目の周りは避けてください。
その後乾燥が激しい場合は、保湿剤などを塗ってもよいでしょう。
トレチノインやアダパレンと併用すると、より効果が高まると
言われますが、同時に用いると、お互いに効果を打ち消しあうので
朝に過酸化ベンゾイル、夜にトレチノインを使うなど
時間差をあけて使用してください。
トレチノインの前にはビタミンCローションを塗るのが鉄板ですが、
過酸化ベンゾイルは酸化作用があるので、還元性物質ととても
相性が悪いです。
なので、過酸化ベンゾイルとビタミンCローションやハイドロキノン
を併用するのは止めてください。
あとは、これは私のオリジナルの使い方ですが、夜に外出するときは
過酸化ベンゾイルを顔全体に薄く塗ります。そうすることで、
脂浮きや皮脂分泌を抑制する効果があり、脂取り紙を頻繁に
使わなくてもよくなります。
個人的にはトレチノインやデフェリンゲルよりも副作用の
度合いは低いですので、ニキビ治療の外用薬としては
まず過酸化ベンゾイルをおすすめします。
価格は皮膚科だと保険適用外なので、数千円しますが、
個人輸入だと1000円程度に抑えられるので、
個人輸入をオススメします。
ちなみにクリーム以外にも化粧品やシャンプーにも
この過酸化ベンゾイルが使用されている場合もあるようですが
全て海外製品なので、そこは個人の好みで使ってください。
ニキビ外用薬としての過酸化ベンゾイルはゲルとクリーム
の2種類があるようですが、ゲルを個人輸入したところ
匂いがきつい(たぶん香料)ので、無香料の白色クリーム
を選んだほうがよいと思います。
以上大事なところは説明しました。
もしも重症慢性ニキビで悩まされていたら、過酸化ベンゾイルでは
力不足ですので、私のオススメ治療にトライしてみるのも手だと
思います。
