抗生物質はニキビに効かない?
ニキビ治療において、保険適用の皮膚科にいけば、必ず処方される
であろう抗生物質ですが、今回はこの抗生物質について書いて行きます。
まず抗生物質とは何か?
それは、ある微生物の成長や発育を阻害する化学物質の総称のことです。
よく風邪を引いたときにも抗生物質が
処方されますが、それは風邪の原因
となるウィルスや菌を殺すために
処方されるのであって、今回はニキビに
特化した抗生物質について書いていきます。
また、軟膏タイプや塗り薬もあるようですが
今回は飲み薬タイプについてとします。
ニキビの原因となる菌はアクネ菌や
黄色ブドウ球菌以外にもたくさんいます。
それらの菌を抗生物質を服用することで、
殺してくれてニキビを治療します。
ニキビ治療の皮膚科にいけば必ず処方されて、
価格も1000円くらいと
そこまで高くありません。
種類としては、マクロライド系としては、
ルリッド錠やクラリス錠。
これは、中耳炎や風邪などにも処方されて、
副作用は少ないほうですが、
まれに、胃もたれや下痢や胃痛などが考えられます。
テトラサイクリン系としては、ミノマイシン。口内炎の時にも
使用されることもあります。副作用としては、胃もたれ、吐き気
めまいなどです。長期服用すると、高齢者において色素沈着が
見られることもあります。
ニューキノロン系としては、クラビット錠。殺菌作用があって、
ニキビの原因のアクネ菌や黄色ブドウ球菌を殺します。
副作用はかゆみや、日光アレルギーなどがあります。
セフェム系としては、バナン錠。これも殺菌作用があります。
副作用としては、じんましん、かゆみ、吐き気があります。
市販品でも抗生物質はありますが、病院で処方してもらったほうが
効き目があります。だいたい病院で処方してもらうと、2週間くらいの
期間ずっと服用するように言われます。病院によっては、胃が荒れるのを
ふせぐために、胃の粘膜を保護する薬を処方することもあります。
ちなみに妊娠中に、抗生物質を服用しても基本的には心配
いらないそうです。ペニシリン系、セフェム系、マクロライド系
であれば、全く問題なし。
テトラサイクリン系は二週間飲み続けてしまうと
産まれてくる赤ちゃんの歯が黄色くなることもあるそうです。
キロノン系は妊娠中に服用すると危ないようなので控えましょう。
追記ですが、妊娠初期(妊娠4週~16週)は念のために飲まない
方がいいそうです。詳しくは医者に相談するようにしましょう。
抗生物質をニキビ治療において私が批判する理由
さてここからが本題です。私は重症慢性ニキビにおいて、抗生物質
はあまり効果がないと思います。理由としては、耐性菌の出現や
リバウンド(フレア)という現象が起きるからです。
抗生物質を長期間使用し続けると耐性菌が発生します。
これは抗生物質を飲んでも効かなくなる菌のことです。
医者の中には抗生物質を何年も継続して服用させる人も
いますが、絶対に耐性菌が出現しますし、ニキビにも
効果がないですし、体にもよくありません。
抗生物質は体内の善玉菌も同時に殺します。体内には何も
ニキビの原因となる菌だけじゃなくて、肌にも良い影響を
与えている菌もいるわけです。抗生物質を飲むと良い菌も
悪い菌も同時に殺してしまいます。
なので、体のバリア機能が崩れてしまいます。体を守ってくれる
菌もいなくなってしまいますからね。乳酸菌を摂取するとある程度は
善玉菌が無くなるのを防ぐことはできるらしいですが。
さらに、長期間の服用し続け、いきなり抗生物質の服用を止めると
ニキビが爆発的に増加するいわゆるリバウンド(フレア)
という現象が起きます。
このことを避けるためにも抗生物質を数ヶ月服用することは
絶対に避け、パルス療法といい、数日~1週間くらい服用を
続けたら、しばらく服用をやめて、また再開して断続的に服用を続ける
方法をとればまだリスクが少ないと思います。
大学病院では未だに2年くらい抗生物質の服用を患者に
続けさせている医者もいるようなので驚きです。
そもそも重症慢性ニキビには抗生物質は効かないので
私の紹介する治療の方がまだ優れていると思います。
